TsuyoshiKusakaの日々思うこと その2

(株)クエステトラに所属、ITエンジニア、テニス好き、地域のお手伝いをいろいろ、@tsuyoshikusaka

京都大学の超交流会2011に参加して

昨日、京都大学で開催された超交流会2011に参加してきた。

いろいろ興味深い話を聞けたが、その中でも一番良かったのが、USBメモリのコンセプトデザインをされた濱口秀司さんの「イノベーションの作法」という講演。

以下ざっくり内容のメモ。
※かなり内容が濃くメモとるのがギリギリだったのでおかしいところがあるかもしれない
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一言でいうなら「思考バイアスに対してShiftを作りましょう」

イノベーションは定義は難しいが、要件はある
 1.見たこと聞いたことがない
 2.与えられた時間内に実行可能
 3.議論を生む
式で表すと !? - ? = !

イノベーションは不確実性を生むもの

イノベーションを考えるために、
 何をやるか→7つの作法
 どうやるか→3つの作法
がある。
今回は文書化できる方の話で、文書化できない方もあり、そちらは今回は話さない。

USBメモリのコンセプトデザインをしたときの話にてらしあわせて10の作法を紹介。

1.観る、聴く、ゼロベースで
先入観なしで聞く

2.思考バイアスを構造的に見つける
縦軸 ??(リアルとネット?)、横軸 容量 small/largeの4象限で
 ┌─┬─┐
 │┃│ │
 ├─┼─┤
 │┗│⇒│
 └─┴─┘
というのが一般的な考えられ方(大容量はネットで)だったが、そうではなく
 ┌─┬─┐
 │━│⇒│
 ├─┼─┤
 │ │ │
 └─┴─┘
で(大容量でネットではなく)を考える。
USBにはほどなくたどりついた。

3.概念的にShiftを作る
※3.がこの次のと2つあるが、おそらくメモミスで、多分この項目は前の補足じゃないかと

3.足し算ではなく引き算しながらシンプルに組み立てる
極端な例(上記4象限の図でいうと右上の端)を考える

4.体験を妥協しないでデザインする
既存のthumb driveだとまずドライバを求められるが、ドライバレスに
当時の技術では16MBしか作れないが、それでもFDよりかなりいい
(上記4象限の図でいうと真ん中の上にずらす)

5.自分を信じる

6.最初の信者を作る(大量の賛同者を狙わなくていい)
自分がパラダイムシフトさせて説得

7.コンセプト実現へのボトルネックを同定して解消する
縦軸 価値大/小、横軸 既存行動/新しい行動の4象限でいくと
 ┌─┬─┐
 │1│3│
 ├─┼─┤
 │ │2│
 └─┴─┘
1,2は説明コスト小さくて済むが、3はしんどい(iPhoneとかがそうだった)
専門家でも一晩かかった(次の日には「DisOnKey」というので行けると言ってもらえた)→一般人に理解してもらうのはもっとかかる
(ちょうど上記図の真ん中に落としたつもりだったが、3のところだった)
ということで、説明ができるIBMとかに担いでもらうことにした

A.structurad chaos な思考・・・
縦軸 クリエイティビティ、横軸 構造的(structured)/直感(chaos)とすると
クリエイティビティが一番高くなるのは構造的と直感のちょうど間で、どちらかに偏ると低くなる釣鐘型となる
あとはどうその頂点にコントロールするか
やり方としては
・structuredとchaosをあえて行き来させる(化学的)
・頂点にいくようコントロールする(物理的)

B.フレームワーキングをする
目的、範囲、切り口を切り替えて考える
・目的を変えてみる 例:・・・
・切り口を変えてみる 例:PCを家や仕事場でなく幼稚園だけで使うとした場合
・範囲を変えてみる 例:(図なので説明しきれないが、川でボートにのっている人のシーンでも映っている範囲で意味が変わってくるとかって説明)

C.思考メディアをShiftする
以下の象限をいききして考える
    具体
 story  │ idea
構造 ──┼── 単純
 logic  │ tagline
    抽象

※A.はメモしきれず

QA
・濱口さんの場合、いいアイデアが浮かぶのはずっと考え続けて準備ができた後、シャワーを浴びてるときや雑誌をながめてるとき
・イノベーション発案側と経営陣は話が通じにくい。経営陣はstructuredでイノベーションはchaos寄りなのと、イノベーションは不確実性を生むことで、業界が読めなくなるので、経営陣にはリスクに見える
P&Gはイノベーティブで有名だが、インスピレーショナルなプレゼンも経営陣が我慢してみないといけないことになっている
・イノベーションは必ずしもテクノロジでなくてもいい。スターバックスのアルバイトの待遇が非常によかった話や、DELLは世間でCPU速度が競われている中であえてビジネスモデルやアライアンスやカスタマエクスペリエンスの部分に投資した
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図の部分はテキストでは限界・・・

※後日加筆 以下に動画あり
http://www.johogaku.net/sn2011/archives