以下ページを見たのが、このブログを書こうと思ったきっかけ。
(NHK クローズアップ現代+ 「ダルビッシュ投手が!青学陸上部が!
能力伸ばす“オープン・シェア革命”」)
ざっくりいうと、オープンシェアすることで、周りにプラスになるし、自分にもフィードバックが得られる、という話。
PTAのことは、定量的な計測はできてないし、定性的な話ではある。が、シェアすることで多少なりとも価値があるかなあと考えた次第。今から考えると、年度末ぐらいに評価アンケートを取ってみてもよかったかも。
さて、まずPTAとどんな風に関わったかを簡単に。
-平成27年度 副会長
かなり薄い関わり、仕事も忙しいのでそういうもんかと思ってた
-平成28年度 会長
中のことは副会長にまかせて、主に外向きの対応
-平成29,30年度 一旦本部を離れた
この時は、また会長になるとは思ってなかった
-令和元年度 会長
中のことは副会長にまかせているが、だいぶ関わった
-令和二年度 会長
コロナ禍があったことと、PTA歴が一番長かったこともあってがつり関わった
会長1年目のときは、わからないことだらけで、経験豊富な副会長の指示の元に動いた。正直お飾り的なところがあったと思う。
会長2年目のときは、本部役員からいくつか改善の相談があり、なるべくそれに応えた。周りとは利害が対立する部分もあって、盾になったところもあった。
会長3年目のときは、コロナ禍で活動はほぼ停止。でも子どもの安全に関することは全部やめるべきではないし、翌年度のためにいろいろ準備をした。
続けるべきところは続けて、変えるべきところは変える。言うと、それだけなのだが、関わる年数が短い(通常は本部役員は2年で終わる)と、学ぶ1年+走る1年で終わって、変えるところまではいけない。令和二年度はコロナ禍があって、多くの活動が止まったことで、落ち着いて議論できたことが大きい。正直それがなかったら、走りながら、あまり考える余裕もなく、疑問はあるもののちょっと変えられれば御の字ぐらいだったかと思う。
主にやったことは以下(印象的なものにしぼられてるが)。
- 入会届方式への移行
世間でよく言われる任意団体であることを考慮したもの。令和元年度から始めたので準備されたものを引き継いで運用に乗せた形。入会したくないという家庭はあるので、その対応の検討がいろいろと大変。またこれによりPTAの存在意義をよく考えるようになった - 夜に実施される会議への参加について見直し
もともと全員参加が基本だったが、女性役員は子どもを置いて出ることの問題が大きかった。自分は嫁さんが家にいてくれるので大丈夫だったが、だんなさんが仕事で遅い家庭では不安が大きい。中には小学校に上がる前のお子さんがいる家庭もあった。ということで、かなり減らす方向とした(令和二年度はそもそも全部なくなったが) - 選挙方法の見直し
多くの人の前で辞退したい理由を読ませる形があったが、それをやめたかった。そういう理不尽なことがあるのは、PTAに対するネガティブな感情を持たせるだけだと思っていたので。入会届を始めたことも大きい - 役員や係の内容の見直し
コロナ禍によりできないことが多くなったこともあるが、もはや必要なくなった役割やむしろ学校としてはやめてほしい役割も残っていたりしたので大幅に変更した - 広報誌の内容変更
令和二年度に多くの活動できなかったことが大きいが、年度末のは子ども(卒業生)中心の内容に変えた - トイレの衛生面の改善
正直私は学校のトイレなんて汚いもの、ぐらいの感覚で諦めていたが、女性の視点は違った。自分達でやれることはやりつつ、お金もかけて(業者の清掃を増やす)、改善することにした - Webサイトの準備
コロナ禍がなくても紙を減らすためにやるつもりだった。コロナ禍によって、なくてはならないものとなった - オンラインでの総会等の実施
たまたま自分が IT が得意だったのでうまくできた。まさかこんなことになるとは思ってなかったが・・・ - コロナ禍対策部材の寄付
他校の活動を参考にして、保護者のみなさんから預かった会費を有効活用するためにやるべきだと判断した
自分だけでやった訳ではなく、多くは副会長をはじめとした本部役員と相談・検討しながら進めたものになる。
それらを含めて活動を進めるに当たって意識したことは以下。
- 女性役員の動きやすさを考える
ジェンダーのことがいろいろ言われる今の時代にそんな感じではダメだとは思うが、実状としてPTAは女性保護者が関わる部分が非常に大きい。うちの本部役員も女性が8-9割を占めていた(役員10名超の中で男性は2-3名)。平日に動いてもらうのも女性役員が中心。だから、女性役員が動きやすくなるように、ということを強く意識した。夜の会議の件など、周りと利害が対立する変更を通す時には摩擦もあったが、自分が盾になればいいと思って進めた。 - 心理的安全性を考える
言いたいことが言えないのは弊害が多いと考えていたので、これをとても重視した。どう思われていたかわからないが、なるべく会長は別に偉くないよ、という感じで接したつもり。また、女性役員の中には平日に動ける人・動けない人、スキルの高い人・そこまででない人、いろいろな方がいる。実際にどのくらい動けるかの差による不満もあったと思うが、そこについてはあまりつっつかないようにした。そこを言っても、あまりいい形に改善できないように思ったのと、できる人がやる、というのはある程度は避けられないと思っていたので。 - できるだけ任せる
自分一人でできることは時間的にもスキル的にも限られている。なるべくやりたいと思う人が、やりやすくなるように任せる。うまくいかなかったら自分がカバーするなり、頭を下げればいいと思っていた。PTAが無償ボランティアだからそう腹を括れたとこもあったと思う。まあでも、そのおかげで自分が期待しているものを上回る成果をいろいろ出せたと思う。 - できないことはやらない
主に時間的な問題から、以前からやってるけど継続が難しいことや優先順位を下げないといけないことは結構ある。周りは昨年やっていたのにと期待を持っているが、それに縛られて疲弊するのは違うと考えていた。あくまで無償ボランティアであり、自分達の子どもらのための活動であり、極端に役員が犠牲になる必要はないし、それは違うと考えていた。そこまでしないとできないことは、そもそもできないものと考えるべき。 - 楽しくやれるように考える
どうせ貴重な時間を割いて活動するのなら、罰ゲームみたいにするんじゃなく、なるべく楽しくやりたいことができるようにしよう、と言ったり、正しいかどうかわからないけど、PTAは生徒会みたいなもんだと思う、と言った(生徒会はやってないのでわからない・・・あくまで想像)。だいたい30-40代ぐらいの人が多く、子どもに手がかかる時期で、仕事も忙しい人が多いので、その時間を削ってまでやることで疲弊するのだけはなるべく避けたかった。
心理的安全性についてはいろいろなところで言われている。この記事の本題であるポジティブなことへのアテンションも大事。なるべくならいい話に目を向けたい。
(毎日1分の威力|矢野和男)
最近になって見つけた記事だが、「疑うことはコスト」は納得。それによるマイナスよりはプラスを大きくしたい。
(成功するためには「人を疑うことはコスト」と知れ。|桃野泰徳)
これも最近見つけた記事だが、「自分以上に優れた能力を持つ、生意気な部下を使いこなす覚悟があるか」という素養は大事だと思う。生意気かどうかはさておき、自分より優れた人なんていくらでもいるし、いろんな軸で見たら、誰かが誰かより全ての面で優れているなんてことはまずありえないと思っている。
(優秀な人材を採ることができないだろう、ある会社の人事部長の話。|桃野泰徳)
実際にこれらの活動がどうだったのか、定量的な評価はない。
が、3年目に会長をやった年の最後、本部役員の方々からとても感謝してもらえて、私の「卒業式」までしてもらった。びっくりしたのと、とてもうれしかった。また、いくつか聞いた話では良い評価を耳にした。正直いろいろ迷いながら、その時その時の最善を判断・選択していたつもりではあった。もちろん失敗もいっぱいあったし、良く思ってない方も少なからずいたと思うし、ネガティブな話は耳に入ってきにくい部分もあるとは思うが、大きくは間違えてはなかったのかなと。
また、本部役員の人に恵まれた部分も大いにあったと思う。本当に能力的にも考え方的にも優秀な人が多いと思った。
活動がよい形で活性化して、積極的に関わってくれる人が少しでも増えてくれればと思ってやっていた。実際に本部役員等をやってくれて、その後も協力的に関わってくれている方がいる。私自身もそうしたいと思う。
あらためて振り返ってみて、良い経験をさせていただいたと思う。マネジメントの経験を積みたいというビジネスマンにはぜひやってみてほしいと本当に思っている。もし例えクビになったとしても食うに困るものでもないし、無償ボランティアなので期待値がそれほど高いものではないと思うので。
この記事が誰かにとって多少なりともプラスになるのかどうかはわからないが、もしコメント等あれば、twitter(@tsuyoshikusaka)にでもいただけたら幸い。